裂肛(きれ痔)の治療

裂肛(きれ痔)について

切れ痔(裂肛/さけ痔)は、肛門の皮膚が切れて起こります。原因は、太い便や硬い便、下痢便が通過することによります。肛門に負荷がかかることより発生します。
肛門上皮は皮膚であり、痛みを感じる知覚神経が通っているため、切れ痔には強い痛みがあります。

繰り返すことによって、肛門の創の周りに肛門ポリープと皮垂が形成してくる状態になり、慢性期や肛門狭窄になると手術が必要となるケースがありますので、早めの受診が必要です。

ダイエットや便秘などで食事の量が少ないことが原因で、若年女性が多く発症しやすいのも特徴です。

裂肛(きれ痔)の分類

急性裂肛
切れ痔は女性に多く、便秘に関連しているとされています。また、食事量が少ないと便の量が少ないため便意を感じにくくなり、便秘になりやすく、便秘になると便は硬く、排泄しにくくなります。
排泄しにくい硬い便が無理に肛門を通過することで、肛門上皮が裂けた状態が急性裂肛です。

慢性裂肛
慢性化し、排便時に強い痛みをともなうようになると、排便への恐怖により便を我慢する傾向になります。するとさらに便秘がひどくなり、便が硬くなります。これが肛門を通る際にまた肛門を傷つけてしまい、さらに強い痛みとなってしまうのです。ついに傷が深くなり肛門の外側に皮垂(見張りいぼ)ができたり、内側にポリープが出来たりした状態が慢性裂肛です。

肛門狭窄
さらに悪化していくと、傷のひきつれにより肛門狭窄がおこります。

このような悪循環を切れ痔の悪化サイクルといいます。

裂肛(きれ痔)の治療について

治療方法は進行度や状態によって選択されます。

裂肛(きれ痔)の治療

肛門拡張術(観血)(K749) LSIS(内括約筋側方切開術)
肛門括約筋による過度の緊張により切れ痔を繰り返す際に行う手術です。
肛門括約筋の一部をメスで切開することで緊張を解消し、切れ痔の慢性化を改善します。
即効性があり直後から効果が表れますが、再発のリスクがあります。

肛門拡張術

裂肛・肛門潰瘍根治術(K744)
慢性化裂肛に行います。裂肛切除術で切れ痔を切除し、肛門ポリープや見張りいぼが併発している場合は同時に切除し、傷のドレナージを行います。
肛門括約筋の緊張が過度である場合には、側方皮下内括約筋切開術(LSIS)手術も行うことで慢性化を改善します。

裂肛・肛門潰瘍根治術

肛門形成手術(K752)
肛門狭窄に対する手術です。指の挿入が困難である症例に対して行うことが一般的です。ひきつれの強い裂肛瘢痕の部分を切除し、肛門を十分に伸展させ広がった傷の部分に外側の肛門上皮を移動させる手術です。

肛門形成手術

裂肛(きれ痔)を防ぐために注意すること

長期にわたる便秘・下痢など肛門への負担がかかると、再度発症することがあります。
肛門にストレスをかけない「排便習慣」が大切です。

長期的な合併症としては、肛門の変形と便漏れ(便失禁)も心配となるでしょう。
術前の診断と、適切な術式の選択が行われていれば、過大に肛門括約筋の切除や侵襲をかけることにはなりません。