院長コラム

2019.05.29

我慢せず肛門科受診を ―院長コラム01―

肛門科診療で最も多くお目にかかる症状は、肛門の痛みです。

肛門自体が自分では見られないため、その痛みに対する不安たるや診察室への入室時の様子で察するに相当な覚悟を感じられます。

さて痔と呼ばれる疾患(いぼ痔・切れ痔・あな痔)いずれでも痛みを生じることがあるので注意が必要です。

いぼ痔は内痔核と外痔核と2種類のいぼ痔があり、痛みを生じるのは外痔核です。いわゆる肛門の外側にできているいぼ痔で血豆を伴ってぷくっと晴れている状態が血栓性外痔核と呼ばれるもので、これが痛いわけです。突然できることが特徴で出血を伴うことは少ないです。基本的な治療は投薬による保存的治療です。それでも改善しなければ局所麻酔下に切除を行うこともあります。

また、切れ痔は急性期から慢性期まで痛みを生じます。どんな人でも必ず経験があるのではないでしょうか? こちらも基本的には軟膏などによる保存的治療です、しかし繰り返す切れ痔の症状により肛門が狭くなり、排便障害をきたした場合には手術による治療を選択場合もあります。

最後にあな痔(痔ろう)ですが、肛門と直腸の境目に組織が異なるところは肛門陰窩と呼ばれるくぼみが肛門の全周に10箇所ほど存在しています、ここから下痢になったりする際に便汁が入り込み肛門組織内に炎症を起こし、膿ためると肛門周囲膿瘍という状態になります。これが痛みの原因となります。治療は外科的治療となります、患部の周りを局所麻酔したのちに切開をして排膿するのです。(切開排膿術)その後は安静にして抗生剤を内服して炎症を抑えます。1週間ほどすると膿のトンネルである痔ろうが完成します。

いずれにしても素人判断せず、肛門科へ受診されることをお勧めします。

江戸川橋胃腸肛門クリニック  肛門外科・消化器内科・肛門外来 東京都文京区関口1-19-6 弥助ビル5F

痔の日帰り手術 ALTA療法(ジオン注射 痔核硬化療法)

日本大腸肛門病学会 専門医

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